ファッション通販サイト「LOCONDO(ロコンド)」を運営するジェイドグループ株式会社(代表取締役社長:田中裕輔)は、シューズ・アパレル通販「Z-CRAFT」や「くつコレ」などを展開する株式会社ロイヤル(本社:名古屋市中区)に対してスポンサー契約を締結し、民事再生支援を行うことを発表した。クロージング日は2025年12月1日を予定しており、裁判所の許可を得たうえで新設会社を設立、同社株式をジェイドグループが取得する形で再建を進める。
円安や投資負担による経営悪化、再生のパートナーにロコンドが名乗り
1973年創業のロイヤルは、輸入シューズや衣料品、スポーツ用品の販売、さらに物流請負事業などを展開。Z-CRAFTやくつコレを中心に、長年EC分野で存在感を示してきた。しかし、円安による仕入コストの上昇や設備投資に伴う借入負担の増加が重なり、2025年5月に民事再生法の適用を申請していた。
ロコンド側は、同社のEC・物流ノウハウを活用することでロイヤルの事業再生を支援できると判断。ロイヤルの持つ仕入れルートや販売網を取り込み、グループとしてのサービス拡充を目指す。田中社長は「ロイヤルの強固なEC運営力と当社のプラットフォームを掛け合わせることで、顧客体験のさらなる向上を図る」とコメントしている。
EC・卸・物流の一体運営で事業再構築へ
今回の再生支援では、ロイヤルが新設会社を設立し、EC事業・実店舗事業・卸事業・物流請負事業を承継。ジェイドグループが同社の全株式を取得する。譲渡対価は約8億8,200万円とされている。
再建後の運営方針として、ロコンドは以下を掲げている。
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EC事業:小規模店舗の整理を行い、売上の集中と内製化を推進。
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店舗事業:黒字・成長見込みのある店舗を中心に運営を継続し、オムニチャネル戦略を強化。
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卸事業:リーボックなど主要ブランドの卸販売に注力し、収益性を向上。
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物流事業:藤原倉庫を除外し、桑名・岡山の拠点を承継。グループ全体の物流体制を再編し、3PL事業を拡充する。
また、可能な限り従業員の雇用を継続する方針を示しており、個別面談などを通じて承継対象を確定するという。
ロコンドグループの成長戦略の一環として
今回のロイヤル支援は、ロコンドが掲げる「EC×リアル店舗×物流」一体運営の強化に直結する。特に、ロイヤルの持つ輸入・販売・物流の垂直統合モデルは、ジェイドグループの既存事業と高いシナジーを生むと見られている。
再生支援を通じて、ロコンドは単なる通販企業から、流通・ロジスティクスを包括的に担う“次世代リユースプラットフォーマー”への進化を加速させる構えだ。