2013年度「靴・履物市場」は前年比102%超。その背景は?

市場調査とマーケティングの調査会社「矢野経済研究所」が国内の靴・履物小売市場に関する調査結果を発表しました。

矢野経済研究所、国内の靴・履物小売市場に関する調査結果を発表|日経プレスリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=362124&lindID=4

資料によると靴・履物市場は「前年度比102.3%の1兆3,850億円」とプラスに転じると見込まれています。

靴・履物市場は2007年1兆4,470億円超あった市場規模が、2008年から2012年まで5年連続マイナス成長となっていましたが、2013年度は少し回復。

市場規模が回復した背景として「履き心地の良い靴やインポートブランド(シューズ)に対する人気が高く、購入単価が上がっている。」事を挙げており、昨年のニューバランスブームを象徴するような結果となりました。

アイテム別では紳士靴・婦人靴共に微増ながら回復傾向を見せたほか、スポーツシューズ部門が大幅アップ。ベビー・子供靴は微減となっています。

この背景をもう少し読み解くと、紳士靴と婦人靴は2007年にそれぞれ2,630億円(紳士靴)、4,340億円(婦人靴)だったものが年々、減少してきており、2012年には2,180億円(紳士靴)、3,560億円(婦人靴)まで5年で約20%も落ち込んでいた事から、回復傾向というよりは底を打ったようなイメージかもしれません。

対してスポーツシューズは2006年に4,730億円だった市場規模が年々増加傾向にあり2013年には5,500億円の見込みと、こちらは20%近い伸びを見せています。
この背景には2007年頃に起こったウォーキングブームや、昨今の東京マラソンや大阪マラソンなどのマラソンブームなどでウォーキングシューズやランニングシューズの好調が影響していると思われます。

子供靴市場でも駿足などを筆頭に速く走れる高性能シューズの好調で、少子化に対抗するように売上げを伸ばしていましたが、昨年は新たなヒット作がなく、微減となる模様。

今後も履き心地や走りやすさといった機能面への要求の高まりは継続すると予測され、景況感も手伝い、スポーツシューズ市場では購入単価の回復が期待できるのではないでしょうか。
また紳士靴や婦人靴市場では、実用性に富む機能的なシューズの開発が要求されており、昨年末より注目が集まるハイブリッドシューズや、本格的な革を使用したスニーカーといった商品に注目が集まっています。

※参考記事
革靴×高機能ソール「ハイブリッドシューズ」がキテル!!