株式会社パル売上高1000億円達成!
チャオパニックやWHO'S WHO、3COINSなど主に衣料品と雑貨販売店を運営するパルグループの2014年2月期の連結決算が発表されました。
株式会社パル2014年2月期決算説明会資料
連結の売上高は前年比8.2%増の1000億3300万円と1000億円の大台に到達。
しかしながら純利益は33.8%減の29億1000万円と大幅減益になりました。
減益の理由は?
減益の主な理由は「急激な円安をトリガーとする製造コストアップにより、粗利益が低下。ヤングカジュ アル系のブランドでの価格転嫁は、厳しい消費環境のなか、後ろ倒しとなった。」とされており、アベノミクスの煽りをモロに受けた様子。パルグループが多く抱えるヤングカジュアル系のブランドでは品質よりも低価格が喜ばれる傾向は依然続いており、製造コストのアップがそのまま粗利益を直撃する形となったようです。
また300円均一の雑貨販売「3コインズ」が均一価格販売のため、「値上げ困難な中、製造拠点の変更や集約を図りつつコスト引き下げに健闘するも、減益となった。」としており、コストダウンはかなり図られているものの、減益となっており、今後の展開に尾を引きそうな気配です。
子会社ナイスクラップが苦戦
子会社の株式会社ナイスクラップは「価格競争による値引き販売の増加、長期化や、原材料コストの上昇から、粗利益率が低下」による販売不振で、売上高は2.3%減の96億8900万円となり純利益は5億3900万円の赤字とかなりの苦戦。ナイスクラップのようなヤングレディースカジュアル衣料は激しい価格競争が繰り広げられており、
- お客様のニーズを的確につかんだものづくり
- 採算性・効率性の向上
- 直営店も出店、退店及び改装の推進
出店数は順調に推移
出店数は前年に比べ71店舗増の764店舗。ヤングカジュアルの人気ブランドを多数抱えているだけに現在、全国各地に急増中の大型モールなどでの出店ニーズが非常に高く、今後も順調に出店数は増加していくものと予測されます。
パルグループの強み
パルグループの最大の強みは40以上にも及ぶブランドと業態の数で、流行の移り変わりを機敏に察知し、最大のメリットであるリスク分散のほか、小ユニット化された各業態で流行に合わせた変化を遂げていけるところにあり、アパレル業界でアメーバ経営を実現している好例であり、現在、徐々にファストファッションブームを脱却しつつある現状において、消費動向の変化に対応しやすい体制は好印象です。また、よく比較されるグローバルワークやローリーズファーム、レイジブルーを運営するポイント社と比べても、チャオパニックやWHO'S WHOを主力業態に持つパルグループの方がややミドルレンジに強みがあり、この価格帯に強みを持つ同社の競争力は有利に働くのではないかと思います。
今後の展望は?
パルグループの最大の売りであるブランド・業態の種類の豊富さは現在のショッピングモールやアウトレットモール全盛の時代に置いて出店ニーズが高く、複数の業態を同時に投入出来る同社のスタンスは時代にマッチしているように思えます。売上高は今後も順調に上昇していくと予想出来ますので、コスト削減や商品提案力の向上によるプロパー価格での販売増を実現し、粗利率を高められれば、爆発的な成長も期待できるのではないでしょうか。
また新会社THE GENERAL INCの設立が発表されており、USA TOWNES社と提携し、COLONY 2139(コロニートゥーワンスリーナイン)という業態を新規に立ち上げ、アメリカや世界での展開も視野に入れてグローバル展開に乗り出す方針のようで、こちらの動向も注目です。