アパレル各社の増税に対する対応まとめ。

ユニクロは税抜き表示・ワールド・クロスカンパニーなども

増税後の価格表示は、増税分を負担するか、今回の増税時と1年半後に見込まれる消費税10%への再増税時に2度全ての商品のタグを付け替えるコスト分を負担するか、どちらを取るかで対応が分かれているが国内アパレルトップのユニクロは税抜き表示で対応する。

※H&M、増税後も価格据え置き ユニクロはデザイン重視|河北新聞
http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201403/2014032101001517.html

ユニクロは増税への対応が二転三転。
昨年4月には柳井会長が、増税後も総額表示を維持し、増税分はユニクロが吸収し、実質値下げで対応する方針を示していたが、実質値下げによる負担増とタグ変更による負担増や消費者への影響を鑑みて、税抜き表示で本体価格は値上げしていない事をアピールする方針に転換した。

ユニクロはデフレの寵児からの脱却を図っており、客単価の向上を目指している事もあり実質値下げがその方針に逆行する事や、「大手衣料品チェーンのユニクロは、フランス人デザイナーと組んだデザイン重視の新たな商品で高級店の顧客を取り込み、増税による消費低迷を乗り切る構えだ。」といった製品の質の向上での消費者へのアプローチをしていきたいようだ。

その他オンワードホールディングスやワールド、クロスカンパニーも税抜き表示の準備をしている模様。

H&M・無印良品・しまむら・ハニーズ・AOKIなどは総額表示で実質値下げ

前述の記事にもあるように売上高アパレル企業世界2位のH&Mは総額表示で実質増税分を値下げで対応する。
同様に国内アパレル2位のしまむら、無印良品・ハニーズなども総額表示で実質値下げで対応する。

※しまむら、消費税増税後も総額表示維持を表明|Fashionsnap.com
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2013-11-12/shimamura-tax/

※開運の値札、春を呼べ、ハニーズ、無印良品、あえて「総額」――「まだ厳しい」実質値下げ|JAPAN SHOP
https://messe.nikkei.co.jp/js/i/news/126108.html

総額表示で対応する場合は実質値下げとなる場合が多く、消費者には消費税増税の負担が軽減されるので、消費者の理解は得やすい。

各社の対応は、増税分を東南アジアでの生産量を増やす事でコストダウンを図ったり、流通を見直し流通コストダウンで対応するとしているところが多く、結果として国内生産の商品が更に減る事や運送業界への負担が増える事による輸送時の事故の発生リスクの上昇などに繋がる事も考えられ、実質値下げを手放しで喜ぶのは早計かもしれない。

また今回、総額表示で実質値下げを行う各社は1年半後の10%への再増税時に今回同様に再値下げする事は考えにくく、次回増税時の対応にも注目したい。

17年3月末までは税抜き表示(本体価格+税)が認められているものの、恐らく消費者の増税の負担感を軽減させるために、「わかりやすさ」を建前に政府が総額表示を義務付ける可能性が懸念されており、アパレル業界のみならず小売業の各社には悩ましい数年間となりそうだ。