ZOZOTOWNのスタートトゥデイ、第1四半期決算はまさかの減収。

スタートトゥデイ第1四半期減収

ZOZOTOWNやWEAR、ZOZOUSEDを展開するスタートトゥデイの2015年3月期第1四半期連結決算は、売上高8,401百万円(同1.6%減)、売上総利益8,050百万円(同14.1%増)、営業利益2,883百万円(同0.3%増)、経常利益2,912百万円(同1.1%増)、四半期純利益1,873百万円(同2.0%増)でした。

驚異的な成長を続けてきたスタートトゥデイがここで僅かながら減収はインパクトがあったようですが、純利益では増益を確保しております。

減収の原因

減収の要因としては、
  • 5月中旬以降生活コスト増を意識した消費意欲減退が顕在化してきたこと。
  • サマーセール時期に一日当たりの出荷件数を調整したこと。
  • 消費増税に伴い生活コストが上昇傾向にあることを背景に、消費に対するマインドが抑制もしくは二極化に動いている感がある。
といった点が挙げられております。

消費税増税直後、他のブランドやメーカー同様、軽微だったようですが、その後、増税がジワジワ国民生活を脅かしている傾向が伺えます。
アパレル業界における消費税増税の影響は「限定的」

確かに、増税直後よりもその後に、値の張る物を購入した際に消費税の重みを感じた方も多いのではないでしょうか。
今後もすぐに消費傾向が回復するとは考え辛く、「消費意欲抑制や二極化に対するオルタナティブ商品も豊富に扱っていることから、ネガティブインパクトが長期化する懸念は小さいと考えているが、今後の動向には注視が必要だろう。」とスタートトゥデイも慎重な姿勢です。

スタートトゥデイの分析

スタートトゥデイが自ら発表している決算分析は以下の通り。

  • 商品取扱高は会社計画(非開示)に対し若干ながら未達。とは言え、通期会社計画に対する進捗率は20.6%と例年並みには推移。
  • 営業利益段階では会社計画(非開示)を過達したうえ、新物流施設稼働に伴う固定費負担増を吸収して前年同期比増益を確保。
  • 第1四半期のプロモーション関連費用率(対商品取扱高)は1.2%。大きな施策はZOZOUSEDのブランド買取サービスを周知するためのテレビコマーシャルのみ。
  • 5月中旬以降、ユーザーの消費行動に変化が起きている可能性がある。具体的には生活コスト上昇と賃金上昇期待の狭間で消費マインドが抑制OR二極化に動いている印象を受けている。
  • 通期会社計画に変更はない。幅広いブランド・商品ラインアップを持つ当社が消費マインドの変化から受けるネガティブインパクトは限定的だろう。ボトルネックである機会損失の解消努力を続けることで、当社が標榜する自律成長率15%を確保することは十分に可能だろう。
  • 最注力ビジネスである「WEAR」は順調。2014年10月からの累計ダウンロード数は300万ダウンロードを超え、ソーシャルメディア力の担保にもなる投稿写真数も100万枚を超えてきた。台湾、韓国、香港を皮切りに海外展開も進んでいる。

業績計画は期初会社計画に変更なし

減収・商品取扱高については第1四半期会社計画(非開示)に対し若干の未達との事ですが、業績計画は期初会社計画に変更なしとの事。
当社のビジネスモデルが下期偏重型であることを考えると十分に挽回可能であり、現段階で悲観する必要はないと考える。更には利益段階では会社計画を上回って進捗しているうえ、今後もコストコントロールが可能である点などを鑑み、会社計画は据え置いた。
と、特に悲観はされていません。
利益段階では増益を確保しているので、恐らく、スタートトゥデイの見立て・姿勢は特に強気すぎるという事ではないでしょう。

ただ、飛ぶ鳥を落とすかのような勢いで伸びてきたスタートトゥデイの足踏みはこれまでの事を思うと、「勢いが落ちた」との印象を抱かせるサプライズだったのではないかと思います。