立場的にこのようなタイトルで記事を書く事は好ましい事ではないのだが、早めに警笛を鳴らす意味で書いてみようと決断した。
第二次ヴィンテージブームの終焉以降、苦戦が続いていた古着業界だが、ここ数年は古着人気が回復基調にあった。
といっても第二次ヴィンテージブームほどではなく、「ブーム」と呼ぶ事には賛否両論あろうかと思うが確実にここ数年は古着人気は右肩上がりだった。
私が古着屋情報サイトF-STREETを開設した時、掲載店の数は40店程度だった。
勿論、全てを掲載出来ていたわけではないので、もっと多くの古着屋があったわけではあるが、それでも現在のF-STREETの大阪版の掲載店の数は120店程度に大増している。
特にここ数年、大阪では古着屋の人気が右肩上がりで、新規店も数多く出現した。
また、F-STREET開設当時、古着を取り上げる雑誌はFREE&EASYと、あとは2ndが取り上げる程度といった感じで、例えば関西では絶大な人気を誇るストリート雑誌カジカジは、古着屋が掲載されるのは夏の古着屋特集のみで、あとは毎号、ほんのわずかに古着屋の掲載があるかないかといった状況だった。
もっとも、カジカジのスナップ企画「スタコレ」などにスナップされているオシャレマスター達の古着着用率や好きなお店で上げている古着屋率は非常に高かったが、当時は資金力のある古着店もほとんどなかった事もあってか、古着屋が掲載されるのは本当にまれな事であった。
それが今や、カジカジの半分は古着情報・古着屋情報なんじゃないかというほどに取り上げられている。
F-STREETのアクセス数も今年の3月まで、何年も続けて右肩上がりで増え続けた。
この流れは当然、大阪の古着屋ブログにしてもしかりである。
しかし、4月から少し停滞の兆しが見え、5月ぐらいからは、少しアクセス数が減少している。
これも古着屋ブログもしかりで、同じような声を聞くようになった。
まだまだ大きく減少しているわけではなく、古着屋の売上げに目に見えて影響するほどではないと思うけれど、見逃せない兆しであると危機感を抱いている。
そんな折、先日取り上げた「服飾専門学生の「よく買うブランド」がひどい」の記事で見えた、もう一つの見逃せない兆しがあった。
この時、繊研新聞に掲載された服飾専門学生のよく買うブランドランキングは下記の通りである。
平成24年度服飾専門学生のよく買うブランドランキング
第二次ヴィンテージブームの終焉以降、苦戦が続いていた古着業界だが、ここ数年は古着人気が回復基調にあった。
といっても第二次ヴィンテージブームほどではなく、「ブーム」と呼ぶ事には賛否両論あろうかと思うが確実にここ数年は古着人気は右肩上がりだった。
私が古着屋情報サイトF-STREETを開設した時、掲載店の数は40店程度だった。
勿論、全てを掲載出来ていたわけではないので、もっと多くの古着屋があったわけではあるが、それでも現在のF-STREETの大阪版の掲載店の数は120店程度に大増している。
特にここ数年、大阪では古着屋の人気が右肩上がりで、新規店も数多く出現した。
また、F-STREET開設当時、古着を取り上げる雑誌はFREE&EASYと、あとは2ndが取り上げる程度といった感じで、例えば関西では絶大な人気を誇るストリート雑誌カジカジは、古着屋が掲載されるのは夏の古着屋特集のみで、あとは毎号、ほんのわずかに古着屋の掲載があるかないかといった状況だった。
もっとも、カジカジのスナップ企画「スタコレ」などにスナップされているオシャレマスター達の古着着用率や好きなお店で上げている古着屋率は非常に高かったが、当時は資金力のある古着店もほとんどなかった事もあってか、古着屋が掲載されるのは本当にまれな事であった。
それが今や、カジカジの半分は古着情報・古着屋情報なんじゃないかというほどに取り上げられている。
F-STREETのアクセス数も今年の3月まで、何年も続けて右肩上がりで増え続けた。
この流れは当然、大阪の古着屋ブログにしてもしかりである。
しかし、4月から少し停滞の兆しが見え、5月ぐらいからは、少しアクセス数が減少している。
これも古着屋ブログもしかりで、同じような声を聞くようになった。
まだまだ大きく減少しているわけではなく、古着屋の売上げに目に見えて影響するほどではないと思うけれど、見逃せない兆しであると危機感を抱いている。
そんな折、先日取り上げた「服飾専門学生の「よく買うブランド」がひどい」の記事で見えた、もう一つの見逃せない兆しがあった。
この時、繊研新聞に掲載された服飾専門学生のよく買うブランドランキングは下記の通りである。
平成24年度服飾専門学生のよく買うブランドランキング
- ユニクロ
- ZARA
- H&M
- アースミュージックアンドエコロジー
- ジーユー
- ローリーズファーム
- フォーエバー21
- アクシーズファム
- ウィゴー
- ジーナシス・ニコアンド・マウジー
ランキングを見て感じるのは、まさしく今の御時世通りのファストファッションブランド隆盛の図である。
あとは海外ブランドがなかなか強いぞ、とかその程度であるが、これが過去のランキングと比較すると驚愕の事実に直面する。
平成23年度服飾専門学生のよく買うブランドランキング
- ユニクロ
- H&M
- ZARA
- エモダ
- トップショップ
- ジーユー
- 古着
- ローリーズファーム
- コムデギャルソン
- ネ・ネット
なんと7位に古着がランクインしているのだ。
このもっと前、平成21年度を見てみると・・・
平成21年度服飾専門学生のよく買うブランドランキング
- ユニクロ
- ZARA
- ローリーズファーム
- ジーナシス
- H&M
- 古着
- ヴィヴィアンウエストウッド
- リミ・フゥ
- コムデギャルソン
- アクシーズファーム
更に上位、6位にランクインしていた。
つまり服飾専門学生のよく買うブランドランキングにおいて、古着は”今年から”ランク外になってしまっていたのである。
若者の中ではファッションに超高感度であるはずの服飾専門学生が古着を着なくなっている事実。
これはなかなか衝撃的な事である。
そしてその背景に目を向ければ、尚一層、危機感が増幅する。
ここで出ていた古着の意味は、恐らく「ヴィンテージ古着」という狭義の意味ではなく、広義の意味での”古着”であると思われるが、この広義の意味での古着の担っていた「安くてオシャレ」という部分がファストファッションブランドに取って代わられているという事とも受け取れる。
古着業界の最大の強みは、私を含め根強い強固なファンがいる事であるが、こうした若いファッションに超高感度な層が離れているというのは、つまり山でいうと裾野が狭まっているという事であり、この先を見通した時に非常に不安定であると言える。
こうしたファストファッションブランドの隆盛が予想以上に長く続いている最大のポイントは価格やデザイン力の向上、選択肢の増加に加え、潤沢な資金を投入して展開されるプロモーションであり、発信力の強さである。
若者は常に新鮮な情報を求めているので、必然、発信力のある物は受け入れられやすい。
現在、古着屋にとってブログというのは最大の発信ツールで、古着屋必携ツールとなりつつあるが、この必携ツールの運用も各々が試行錯誤しながら基本的には少人数で運営されており、強固な古着ファンへの発信としては一定の効果を発揮しているが、新たな顧客層開拓というところまで力が及んでいるとは言えない。
古着業界というのは基本的には中小の商店で成り立っており、多少の横の繋がりはあるが、組織的に成り立っているわけではない。
故に、発信においては他の業界に比べると必然、弱くなりがちである。
しかしながら、我々が開催した大阪古着祭などで束になった時にはとてつもないパワーを発揮する事は既に証明されている。
古着関連のメディアや情報サイトもまだまだ整備されているとは言い切れず、そういった”余地”は実は大きな武器なのではないかと思っている。
ブログやtwitterというツールを使う事で、資金をかけなくても発信する事が出来る世の中にもなっているので、今後、古着業界全体がもっと強く発信していくべきであると思っている。
私の理想論でいえば、古着業界全体が一つになって大きなメディアとして情報発信をすれば絶対に古着愛好人口が増えると信じているが、全国に数多ある古着屋全部がそうして一つになるのは難しいわけで、それどころか古着屋が集っている一つのビル単位でもなかなか難しいのではないかと思う。
一発逆転、起死回生のアイディアを持っているわけではないが、私自身も精いっぱい、そうした発信力を後押し出来る様なサポートをして行ければと思っている。