岡山・児島の老舗ジーンズ縫製メーカーの内田縫製の社運をかけた挑戦

内田縫製、岡山を拠点にしたジーンズの老舗メーカーが、約3億円をかけて新工場の建設に着手します。この新たな試みは、国内に縫製工場を新築するという異例の事業で、岡山県津山市の本社近くに約4700平方メートルの農業用地を取得し、2階建てで約1300平方メートルの延べ床面積を有する新工場を建設します。本社機能の移転と共に、国内初の自社ショップも併設し、2024年秋の開業を予定しています。


内田縫製の歴史と実績

創業は1969年で、内田縫製は日本ジーンズの歴史と共に歩んできた老舗縫製企業です。近年では、海外ハイブランドからの受注などもあり、その縫製技術の高さが世界的に評価され、トップレベルのジーンズメーカーとしてOEMを中心にジーンズ製造を手がけています。自社ブランド「UCHIDA HOUSEI」の展開や、クラウドファンディングで調達した資金を活用した「レインボージーンズ」など、積極的な試みも行っており、その挑戦的な姿勢が注目されています。


新工場建設の目的と展望

新工場建設の主な目的は、生産能力の拡大です。ミシンを70台から100台に増やし、製造ラインも2ラインに増やすことで、従業員の増員を計画しています。これにより、若手の技術者を育成し、多品種小ロットの生産にも対応します。日本の縫製業界が直面している危機感に共感し、若手職人の育成が重要視されています。


工場見学と縫製体験

新工場では、国内初の自社ショップを併設し、工場見学や縫製体験などができるプログラムを用意する予定です。これにより、国内外からの日本製ジーンズファンが訪れる体験型施設として、地域との交流やファンへのサービス向上を図ります。


社会的な取り組みとリブランディング

内田縫製は、日本で流通する服の国産品の割合が減少している現状に危機感を抱き、若手職人の育成を企業の使命と位置づけています。そのため、新工場の建設によって労働環境を改善し、若手の技術力を向上させるとともに、リブランディングを進めています。また、工場のデザインには地元デザインファームと連携し、高瀬舟をモチーフにした建築デザインを採用。一般的な工場と異なり、地域住民や自社ブランドのファンに向けて開放的な空間を提供します。

内田縫製は、岡山を拠点に縫製技術の高さで世界的に評価を受ける企業として、新工場建設によって更なる発展を目指します。岡山の歴史を受け継ぎながら、次世代への技術の継承と地域との共生を模索する姿勢が、日本の縫製業界に新たな光をもたらすことでしょう。


会社概要

有限会社内田縫製

所在地:〒708-1226 岡山県津山市新野山形450

URL:https://uchida-factory.co.jp/

電話番号:0868-36-2861

資本金:1000万円

代表:代表取締役 内田政行

従業員数:35名(役員含む・2023年11月現在)