曖昧な‟プレッピー“スタイルの答えを探る渾身の特集!雑誌『2nd(セカンド)』2023年8月号「NEW PREPPY HANDBOOKプレッピーとは一体なんなのか?」特集号発売!!

 『2nd(セカンド)』2023年8月号「NEW PREPPY HANDBOOK プレッピーとは一体なんなのか?」特集号が、2023年6月16日(金)に発売されます。


1960年代に隆盛を極め、「VAN(ヴァン)」や「みゆき族」といったキーワードとともに今日まで受け継がれているアイビースタイル。典型的なアイビー像として、紺ブレにタイドアップ、チノパンを穿く、などが挙げられます。カジュアルファッションの目線から見れば、かなりお堅いアイビーですが、これをさらに着崩したものがプレッピースタイルと呼ばれています。今回の第一特集は、現代の自由なファッションとも結び付きの強いこの「プレッピー」を、編集部のアメリカ取材を含め、さまざまな切り口からご紹介する渾身の内容です。
また、第二特集は「ボクのサブスク」と題して、NetflixやAmazon Primeなどで見られる映像作品を取り上げます。お馴染みのファッション業界人の面々に聞いた、リアルなおすすめ作品は必見です。

NEW PREPPY HANDBOOK プレッピーとは一体なんなのか?

プレッピーとは、アイビーが下火になった1970年代後半に台頭してきたスタイル。もともとプレッピーとはPreparatory School(名門大学を目指すお金持ちの子供たちが通う私立高校)の略称であり、そこに通う生徒たちのスタイルを揶揄するニュアンスを含めて生まれた言葉です。プレッピーとひとくちに言ってもその切り取り方によって解釈は様々ですが、ファッション的な観点から見ると、「アイビーのようなスタイルを色使いや着こなしで着崩す」スタイルと端的に言うことができるでしょう。ただしこれはあくまでひとつの例であり、先に述べたように実質は捉える人によって解釈がやや異なってくるのがプレッピーの難しさ、そしておもしろさなのです。ひとつ言い切れることがあるとするならば、このスタイルが今日に見られる自由なファッションスタイルに大きな影響を与えていること。そこで、このプレッピーという概念を、様々な観点や色んな人の意見を通して、多角的に捉えてみて楽しもうじゃないか。そんな特集になっています。

JACK CARLSON Presents I am a PREPPY.


何度も述べているように、つかみどころのないプレッピースタイルですが、生い立ちや生き方、ファッションスタイルを含めて、限りなくプレッピーを体現している人物がいます。それがROWING BLAZERS(ローイング・ブレザーズ)というブランドのデザイナー、ジャック・カールソン氏です。彼は実際にプレパラトリ―スクール出身で、‟英国のアイビーリーグ“と称されるオックスフォード大学で修士号・博士号を取得。さらにローイング(ボート競技)の世界大会で3位入賞を果たしたこともあり、自身でボート競技に起源を持つファッションアイテム、ブレザーを軸にしたブランドを立ち上げています。これらの事実を並べただけでも、彼がプレッピーに限りなく近い人物であることは火を見るよりも明らかです。
そんな今回の特集の肝を担う彼のライフスタイルに迫るべく、なんと編集部が彼のお店(ニューヨーク)に直接取材を敢行しました。彼の生い立ちから愛用品、譲れないルールや行きつけのレストランなど、計12Pもの大ボリュームで深掘りします。さらに、彼に続いて、世界中のプレッピーを体現しているアイコン的人物、計5名へのインタビューも行っています。

あの頃と変わらない、プレッピーたちの行きつけ。


あの頃のプレッピーたちには行きつけのお店がいくつかありました。その中でも代表的な例が「Nantucket (ナンタケット島)」。これは、アメリカ・ニューヨークの北東に位置するリゾート地であり、いまでも富裕層が休日にこぞって足を運ぶ場所です。「Murray’s Toggery Shop(マレーズトガリーショップ)」は、約80年もの間、この島でトラッドなブランドをセレクトし、販売し続けているトラッドショップですが、このお店がオリジナルで生み出した「ナンタケットレッド」というカラーのアイテムが、プレッピーたちにとってのスタンダードだったのです。その特徴は、洗濯を繰り返し塩水に晒されると、絶妙なチェリーピンクの色合いに変化していく、ということが保障されている点です。「ナンタケットに行くほどに自分は裕福だ」というアピールも含めて、プレッピーたちが愛用していたのだと予測されます。そんな前人未踏のプレッピーの聖地も直接取材してきました。同企画にて「J.PRESS(J.プレス)」と「L.L.Bean(エル・エル・ビーン)」の本店も訪問しています。ほかのメディアでは決して見ることのできない濃密な企画、ぜひご覧ください。

名画に学ぶプレッピー像


実態が捉え難いプレッピー像を学ぶうえで、映画はこれ以上ないほど雄弁な教科書になり得ます。英米両国の才人たちがスクリーンに描くプレッピー像には、プレッピーの多面性が見てとれるのです。この企画では、アメリカントラディショナルクロージングと映画の双方に造詣の深い、演出家・映画監督の河毛俊作氏にご登場いただき、様々な角度のプレッピー像が学べる名画を解説していただきました。たとえば、プレッピーのルーツを学ぶことのできる『炎のランナー』、プレッピー色彩美を学べる『華麗なるギャツビー』などが登場します。ほかの企画とはまた違った角度からのプレッピー分析。映画単体で見ても、純粋におもしろい作品ばかりですので、ここからプレッピーへの理解を深めてみるのもいいかもしれません。

Hand-sewn in Maine


手縫いで仕上げるアメリカンモカシンの原点。
プレッピーたちにとって欠かせなかったアイテムのひとつに、デッキシューズやローファーなどの「モカシンシューズ」の存在が挙げられます。米国ニューイングランド地方の北東部に位置するメイン州は、このモカシンシューズのモカ縫い(足先の甲側と下半分の革を縫い合わせている部分)を手縫いで仕上げる「ハンドソーン」の伝統製法が現存している唯一の場所です。さらに、最盛期にはおよそ200ものファクトリーが存在していたと言われますが、現在ではたったの2社との噂も。その両者、「ランコート」と「クオディ」の工場に潜入してきました。彼らの職人技はもちろん、両者の規模感やスタイルの違いも垣間見え、非常に興味深い特集になっています。この絶滅危惧テクニック、見逃すべからず。

ひとりで楽しむボクのサブスク。


第二特集として今回取り上げるのは「サブスク」。
NetflixやAmazon Primeなどのサブスクリプションサービスで楽しめる動画作品をピックアップして紹介しています。そのラインナップは、すべてセカンドお馴染みの業界人たちが、リアルにレコメンドしてくれたもの。計30名の映画好きが心からおすすめする映画・ドラマ・アニメ・バラエティ作品。普段馴染みがなく「なにから見たらいいか分からない」という人にこそ、楽しんでいただきたい特集になっています。