愛用する道具服はありますか?ファッション巧者50人の一生モノ道具服をご紹介!雑誌『2nd(セカンド)』2023年2月号「飾らない機能美こそ、究極のデザイン。服=道具」発売!

 『2nd(セカンド)』2023年2月号「飾らない機能美こそ、究極のデザイン。服=道具」特集号が、2022年12月16日(金)に発売されています。


デニムやダウンジャケットなどに顕著ですが、服とは本来道具として生み出されたものです。最低限のベーシックなデザインに、それぞれの用途に沿った機能が詰め込まれた“機能美”光るそれらの服を、総勢50名のファッション巧者たちに見せてもらう、というのが今回の特集の軸となるコンテンツです。クタクタになるまで使い込まれた美しい佇まい、そしてその背景にあるストーリーを思う存分に味わえる内容になっています。その他、令和の現在に実はひっそりと注目を集めている「ボクたちの平成ドラマ」特集、誰もが知る名門ブランドが実施しているビスポークサービスにフォーカスした「名門のビスポークで歴史の一部になる」特集など。バラエティに富んだ2月号、要チェックです。

飾らない機能美こそ、究極のデザイン。服=道具

冒頭でも述べた通り、服は本来道具として生み出されたものがほとんどです。デニムは鉱山労働者たちのための労働着、ダウンジャケットは寒さから身を守るための防寒着、といったように道具としての必要性に迫られたからこそ、服は発展を遂げてきました。また、それらの服は、シンプルゆえ現代のファッションにも取り入れやすく、流行に左右されることのない一生モノとして多くの人々に愛されています。本特集では総勢50人ものファッション巧者たちにご登場いただき、それぞれが“道具”であると考える服をたくさんご紹介いただきました。

僕にとっての“道具服”とは。




ひと口に“道具”と言っても、その捉え方は人によって様々です。道具のなかにファッション性を見出して楽しむ人、そもそもファッションとして生み出されたものをまるで道具のようにガシガシ使う人など。今回あえてその定義は厳密に定めていないからこそ、それぞれのアイテムに愛用者ならではの個性的なストーリーが光ります。冬のアウトドアフィールドで死にかけた体験を元に、史上初のダウンジャケットを開発したブランド「Eddie Bauer(エディバウアー)」の代表作「カラコラムダウンジャケット」はまさに道具。「メイデンズショップ」のディレクター兼バイヤーである牧野真也(まきの・しんや)さんが愛用するこちらは、5年前に古着店で出会ったという「カラコラム」。おそらく最初のオーナーによって、50年代に踏破した山脈がワッペンで刻まれていたり、胸と袖に自らポケットを追加していたりと、道具として愛用されていたことがひと目で分かるそのルックスには、なんとも形容しがたいオーラがあります。

小林学とオーバーオール。



“道具服”と常日頃から向き合い続けている35SUMMERS(35サマーズ)の寺本欣児(てらもと・きんじ)さん、POST O'ALLS(ポストオーバーオールズ)の大淵毅(おおふち・たけし)さん、AUBERGE(オーベルジュ)の小林学(こばやし・まなぶ)さんら、3名のビッグネームも登場。彼らに関しては1点のみならず、それぞれにウエスタン、シャンブレーシャツ、オーバーオールなど定番の“道具服”、1カテゴリに絞って、約16~18点にも及ぶアイテムを大量に見せていただきました。小林学さんは60年代以前のオーバーオールのみを16点披露。「30歳になるまで、下着とシューズ以外は60年代以前のものだけを着る!」という若かりし頃の厳しいルールに従って集めたヴィンテージの数々は、これまでに見たことのない“本物”ばかりです。

テリー・エリスと北村恵子の道具服。


こちらは2022年10月に高円寺にオープンした「MOGI Folk Art(モギ フォークアート)」というショップの一角。見ていただければ分かるとおり、ウエアから器などの民藝品まで、今回の特集テーマである“服=道具”を体現しているお店と言っても過言ではありません。なにを隠そう、この店を営んでいるのはテリー・エリスさんと北村恵子(きたむら・けいこ)さんご夫妻。80年代中期にはビームスロンドンオフィスを立ち上げ、90年代中期以降はビームスモダンリビングやフェニカといったレーベルを発案したふたり。日本や北欧を中心とした世界中の手仕事と伝統文化の魅力を広めた第一人者です。そんな彼らがオープンした「モギ フォークアート」では、日本の伝統的雨具としてお馴染みの蓑(みの)の柄を落とし込んだセーターなど、まさに“服=道具”であるということを実感することができるものがチラホラ。おふたりの思う“道具服”はもちろん、同店で取り扱いのある商品もたっぷりとご紹介します。

ボクたちの平成ドラマ



令和の現在、世はひっそりと空前の「平成レトロブーム」を迎えている。CDやレコード、シティポップといった音楽シーンやファッションなど、どこもかしこも平成だらけ。その中でも注目を浴びているのが、平成に放送された地上波のドラマ。作品を懐古する人や「新しい!」と楽しむ若者たちによって、サブスクの平成ドラマの検索率も急上昇しているそうです。
そこで2ndはこのたび、脚光を浴びている「平成ドラマ」を大特集します。なんと週に34本の連続ドラマを見ているという大のドラマ好き、芸人の塙宣之(はなわ・のぶゆき、ナイツ)さんへのインタビューから始まり、ドラマ好きのファッション業界人が選ぶ名作ドラマでは、『白い巨塔』や『私立探偵 濱マイク』など懐かしの作品たちがスポットを浴びます。その他、平成31年間に放送したドラマと事件を網羅した年表など、「平成ドラマ」というテーマを軸に多角的に深掘りした、ボリューム満点の16Pにわたる特集。世代の方もそうでない方もぜひご一読いただきたい内容です!

名門のビスポークで歴史の一部になる

自らの体型に、好みに、目的に100%合致する、言わば至高の嗜好品を探し求めるとき、ビスポーク以上の買い物術は存在しません。今回はそうした“完全自分仕様のアイテムを創り上げる”という、この究極の買い物術に“歴史の一部になる”という付加価値までプラスしてくれる、リーバイスなどの名門が実施しているビスポークサービスにフォーカス。奇しくもジーンズが生まれた起源を辿ると、仕立て屋であったヤコブ・デイビスが、ある顧客から「耐久性に富むズボンを」というオーダーを受け、リベットで補強するアイデアをひらめいた瞬間こそがその起源です。つまりテーラーと密に語らい、ともに自分だけのジーンズを仕立てるこのサービスは、ある意味その起源に立ち返る、愛好家にとって極めて有意義なサービスと言えるでしょう。リーバイスのほか、サヴィルロウのメガネ、モンブランの万年筆、フォックス・アンブレラの傘、大和屋シャツ店のシャツなど、意外と知られていない名門ブランドのビスポーク。各分野の“上がり”を求める人は、本特集を通してぜひその真価に触れていただきたいと思います。