ユニクロの年収テーブル公開で国民騒然。28歳で年収1000万円越え?

ブラック企業批判が絶えないユニクロは、新卒採用の資料として「グローバルリーダー社員REAL DATA」を公開しました。
この冒頭で完全実力主義を宣言しており、「いい仕事をした人が、もっと大きな仕事を任せられる会社でありたい。もし世界一いい仕事をしたら、世界一いい報酬をもらってもいいじゃないか。本当にそう思います。」という理念を掲げ、実力主義に見合った報酬を払っている事を証明しており、その並ぶ数字の高さにインターネットニュースやtwitterなどで「凄すぎる」「夢がある」と話題になっている。

公開されたデータではランク別にどれぐらいの年収が得られるかがわかるようになっている。


最高ランクはK-4で64歳の執行役員が2億4000万円の年収を得ていることがわかる。
これは柳井会長と思われ、柳井会長が最高年収かと思いきやK-3の執行役員の中に3億2000万円の年収を得ている。

新卒入社のクラスはJ-1でこれは店舗社員や本部社員を指し、最低年収は約317万円で、平均は約395万円となっている。
この中から、1年後J-2に昇格する社員は平均398万円に上昇し、平均して月収3000円程度の昇給があるものと思われる。
入社後最短で半年で店長クラスのS-2ランクまで昇格出来る可能性があり、S-2ランクのトップクラスは792万円の年収を得ているが、この792万円の得ている社員が必ずしも入社半年で昇格した社員ではないというところには注意が必要で、キャリア20年でS-2に留まっている社員の可能性もある。

スター店長、スーパーバイザーというクラス「S-5」まで昇格すると最高で年収1000万円を越える人も出てくる。
ただし、ユニクロの店長職の過重労働に関しては社会問題にもなっており、今年3月にはそのブラック体質を指摘した文藝春秋を相手取り裁判を起こしたものの、一審に続き二審でも敗訴しており、数字だけで見ると28歳になると自動的にS-5ランクに昇格し、高給を貰えるという勘違いをしてしまいがちだが、こうした激務に耐え、数字を挙げた選ばれし精鋭がS-5ランクに昇格し、こうした給与を得る事が出来る。その可能最低年齢が28歳であるという事で、必ずしも28歳になるとこうした高給が得られるわけではない。
これこそがグローバル企業ユニクロの掲げる「完全実力主義」であり、評価基準までは公開されていないが、例えば店長だと目標売上げを大幅に上回る売り上げを上げ続けられるとか、他店舗を圧倒する売上を上げるとか、そうした突出した実力を持つ者はこうした超高額な報酬を得る事が出来る。

K-1ランクの執行役員になると年収は1億円を越える。
「これまでで一番若い役員昇格は29歳」と付記されておりますがこの役員昇格(中途採用?)があった時期は明記されていない。執行役員制度を導入したのは2005年であるが、その後中途採用した執行役員は大半が大社したという話もある。
直近では38歳という若さで柳井会長の長男一海氏がグループ執行役員に就いており、更に次男康治氏が35歳で入社し、その後グループ執行役員に就いており、この例外的な存在の二人のデータも含まれている事を認識しておきたい。

以上の事から、完全実力主義のユニクロに夢がある事は間違いがないのだが、この年収テーブルが公開されてから、すっかり「ユニクロに入ればこれだけの年収が約束されている。」というような風潮になっている事には注意を喚起しておきたい。

あくまでユニクロは「完全実力主義」である事が大前提なのです。