大阪の百貨店、苦境抜け出せず

先月、「コンバース×X-LARGE第3弾・ミハラヤスヒロ×ヒステリックグラマーがラストコラボ・ハルカス大苦戦 #気になったファッションニュース」でも取り上げたが、近鉄が新たにオープンさせたあべのハルカスを筆頭に、大阪の百貨店が苦境を抜け出せないでいる。

天王寺のあべのハルカスの不調は産経ニュース「ビジネスの裏側」によると「消費税増税に伴う高額商品の販売伸び悩みや天候不順といった外部要因に加え、集客の目玉に据えた女性向け専門店街ソラハの不振が要因。」との事。
また「目標が高すぎた」事も要因で、見通しの甘さが露呈した。

地上300m、世界一高いビル(駅ビル)という称号による集客にはそれなりに成功しているものの、94%と見ていた買い上げ率が80%程度と、百貨店よりもランドマーク的な存在となってしまっている。
またプロ野球球団を売却して以降の知名度・ブランド力低下もあり、大阪市北側の梅田の商業施設の激戦に全く太刀打ち出来ず話題を持っていかれており、今後の見通しも非常に厳しい。

今後もソラハへの通路を拡張をするなど、若い女性向けのソラハを強化していくようだが、キタと呼ばれる梅田地区、ミナミと呼ばれる難波・心斎橋地区に比べ、周辺のショッピング環境が整っていない事もあり、あまり業績改善の期待は出来ないのではなだろうか。

あべのハルカスは近鉄百貨店の本店でもあり、この不調は大きな痛手となっている様子。

ただ、この苦境はあべのハルカスだけのものではなく、2012年に開業した梅田の阪急百貨店梅田本店も苦戦中のよう。
25年4月~26年3月の売上高は目標を200億円も下回った。

JR大阪三越伊勢丹も不振を極め、既に売り場面積を半減させる方向でリニューアルに入っており、ファッションビル「ルクア」中心の展開に戦略変更する。
JR大阪三越伊勢丹が販売不振で売り場半減

更に4月からは消費税増税が痛手となっており、売上高は更に低下している模様。
今年は低気温な事もあり単価の高い秋冬物が早い段階から動きそうなのは好材料で、実際8月の売上高はやや回復基調にあるようだが、逆にエルニーニョ現象で暖冬になる可能性を秘めており、冬にアウターなどの冬物が不振に陥る可能性が高く正直苦しい

また円安傾向は輸入産業のファッション業界にとっては喜ばしい事ではなく、特に来年10月に控える消費税の再増税や、実態がないとの批判もあるアベノミクスバブルの崩壊などへの不安もあり、過当競争状態の大阪百貨店業界は今後、更なる苦境に陥り勝者なき戦いを余儀なくされ総倒れする可能性もあるのではないか。


※参考記事
過当競争に消費増税、天候不順が追い打ち…開業・増床ラッシュ後の大阪の百貨店の苦境、近鉄本店、ハルカス効果も期待外れか|MSNニュース「ビジネスの裏側」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140911/wec14091107000002-n4.htm

売上高目標を下方修正へ あべのハルカスの近鉄百貨店本店
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082101001803.html