ユナイテッドアローズ増収増益!過去最高益達成
5月8日、株式会社ユナイテッドアローズの2014年3月期決算が発表されました。連結売上高が前期比 11.7%増の1,284億8,900万円、当期純利益は同8.3%増の79億2,000万円と増収増益を達成、3期連続の最高益更新となりました。
円安による原価率増などの影響で売上総利益率は1.1ptダウンとなりましたが、売上額の増加に伴い売上総利益額は前期比109.4%、計画比100.3%となっています。
小売り、ネット通販、アウトレットの全チャネルで増収を達成。
この内、売上高に占めるそれぞれの売上比率は小売が76.0%、ネット通販が11.0%、アウトレットが12.4%となっています。
2015年も最高益を計画
2015年3月期の連結・単体PL計画は連結売上高は前期比 105.8%の 1,359億14百万円、売上総利益は前期比 106.2%の 727億15百万円を見込み、4期連続の最高益を計画しているようです。重点取組課題としては新規ウィメンズシューズ事業「ボワソンショコラ」の店舗展開を開始を挙げており、現在は船橋店、吉祥寺店、丸の内店の3店を出店している。
同ブランドは20代後半~30代全般のOL・主婦層を中心としたファッションを楽しむ女性をターゲットにしており、今後は首都圏のファッションビルやショッピングセンターに加え、地下街なども出店候補地として展開していく方針のようです。
今後の展開
中長期ビジョンとして「既存事業の成長拡大」「新規事業開発」と共に「海外進出」を挙げています。
長期ビジョンでは、収益化を前提としつつ、出店および運営によるノウハウの蓄積を最優先に海外展開を実施することを目標に掲げているが、中期期間中では、実際の出店および運営によって得られた情報から、商品・販売・宣伝戦略の柔軟な軌道修正を行なうことにより、将来的に世界各国で展開を可能とするビジネスモデルの構築を目指す。としており、かなり慎重な姿勢は感じ取れますが、将来的にグローバル化を目指して運営していくという長期的な目標を持っているようです。
既に売上高1000億円の壁は突破しており、今後、更なる成長を考えますとグローバル展開は必須事項とも言え、比較的グローバル展開しやすいファストファッションブランドに比べ、ミドルレンジの価格帯のセレクトショップ業態のお店がどのように通用するのか非常に興味があります。
とはいえ、まずは子会社である「コーエン」や、また低価格帯の「グリーンレーベルリラクシング」などが海外でも受けるだろうと予測されます。
また現在の消費マインドに関しては「円安の更なる進行に伴う原価の上昇や複数回に亘る消費増税の見通しに伴う消費マインドの低下懸念など、引続き予断を許さない状況が継続。」としており、消費増税や円安にはかなり警戒している様子が伺えます。
消費増税の影響としては、比較的高価格帯のジュエリーブランド「クロムハーツ」が影響を受けている模様。
またユナイテッドアローズを設立し、上場企業まで育て上げた取締役会長の重松理氏の退任が発表されており、今後は名誉会長としてこれまでとは一歩引いた位置で、経営に関わっていくことになるようです。