アパレル業界における消費税増税の影響は「限定的」

アパレル関係各社4月の売上高

アパレル関係各社の2014年4月の売上げに関するニュースが続々発表されているのでまとめてみたい。

ユニクロは売上高3.3%増

ユニクロは国内既存店売上高を3.3%伸ばした。
今年は気温上昇時期が少し遅れ4月に気温上昇が顕著となったため、春物が好調に売れた模様。
また今年のコレクションよりA BATHING APE創業者のNIGOがクリエイティブディレクターに就任して話題となっているTシャツブランド「UT」の2014春夏コレクションが今春より立ち上がり、気温上昇と共に売れ行きを伸ばしているのも好調の要因で、UTのイメージキャラクターに起用したファレル・ウィリアムスとのコラボレーションライン「i am OTHER」も4月14日に発売となっており、売上げ増につながった。

ポイントは売上高4.1%減

ポイントは既存店売上高4.1%減。
気温上昇が顕著となった中旬以降はシャツやブラウス、軽めの羽織り物やカーディガンなど春物が売れたが4月上旬は駆け込み需要の反動減で売り上げが伸び悩んだ。
とはいえ、「反動減は想定の範囲内」だそうで、GW商戦では「平年並み」まで売上げを戻している模様。

ユナイテッドアローズは売上高3.4%減

セレクトショップ大手ユナイテッドアローズは苦戦。既存店売上高は3.4%減となった。
4月は消費増税前の駆け込み需要の反動から重衣料、高単価なシューズ、バッグ、アクセサリーが弱含みに推移し、小売+ネット通販既存店 売上高は前年を下回りました。 月後半からの気温上昇に合わせて初夏物商品の打ち出しを強めたことにより、シャツ、カット、半袖ニットなどの売上が上昇傾向にあります。 またスニーカーの人気が継続しており、カジュアルシューズの動きをけん引しました。
との事で、高価格帯のアクセサリー・革製品ブランド「クロムハーツ」が苦戦したほか、中~高価格帯の商品が売れなかった。低価格帯のヤング層向け「ビューティー&ユース」が好調に推移し、減少幅を小幅なものに食い止めた。
また、依然スニーカー人気が継続中で、adidasスタンスミスやニューバランスの注目モデルなど、国内数店舗でしか扱われないようなモデルの取扱店にもなっており、スニーカーはかなり売れ行きが好調な模様。

百貨店は下げ幅10%程度

高価格帯の商品を多く取り扱う百貨店では増税の影響は顕著で、大手3社の売上高は三越伊勢丹が前年同月比7.9%減、大丸松坂屋やパルコを傘下に持つJ・フロントリテイリングが15.3%減、高島屋が13.6%減だった。
高級ブランドや高級時計を中心に反動減が顕著だったようだが、「各社は「節約志向が高まっているとは見受けられない」(三越伊勢丹)など、増税後も消費意欲の大幅な減退はないと分析。」とされており、増税の影響も予想を下回ったようだ。
その他、そごう西武が15%減、小田急が10%減といずれも10%前後の下げ幅に収まった模様。

まとめ

アパレル業界における消費税増税の影響は高価格帯の商品に大きな影響を与えている以外は限定的で、予想されたほどの影響はなかった模様。
アパレル業界以外でも、便乗値上げは見受けられるものの、「増税の影響は予想を下回った」という見方が多く、消費税増税の影響は限定的だったと評価されている。
ただ、GW商戦で「予想はやや下回った」(クロスカンパニー)、「昨年よりは良くなかった」(パル)」などと、依然、多少の苦戦は強いられているようで、全体的に夏頃には持ち直すと予想されている消費マインドの回復時期は多少遅れる事があるかもしれない。