対象年齢引き上げの動きがファッション誌にも。

NHKニュースが「ファッション誌 対象年齢引き上げの動き」を報道

なんとNHKニュースが「ファッション誌 対象年齢引き上げの動き」を報じています。

ファッション誌 対象年齢引き上げの動き|NHKニュースウェブ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140327/k10013270881000.html

対象年齢を引き上げるのはファッション誌に限らず、ファッション業界の今春の流行ですね。

10代~20代前半がターゲットだったSMARTも時代の流れと共に、ややターゲットの年齢層を上げているような雰囲気

今春始動のセレクトショップの新業態は「購買力のある30~40代をターゲットに据えたもの」が多い


効率重視の消費マインドを作ったのはだれなのか?

記事中では今の若者の消費傾向を「必要なものしか要らない」と論じられていますが、ファッション業界全体がまさしく今の若者の効率化された消費傾向に翻弄されているように感じます。

この理由の一つが長引いた不況によるデフレ社会にあった事は間違いなのですが、そもそも数年前の若者向けのファッション誌ではユニクロをはじめファストファッションブランドを猛プッシュする記事が量産され、現在のファッションに対する効率的な消費傾向はファッション誌が作ったと言えなくもないのではないでしょうか。


ファッション誌は年々売り上げ減少中

ファッション誌の売り上げも16年連続で下がり続けているらしく、ピーク時の4割以上も減っているとの事。
記事中ではバブルを経験した40代50代の話が中心に展開されていますが、ピーク時である平成7年頃に青春を迎えていた世代がファッション業界の黄金世代(ファッションにお金を使う世代)であり、今後、ファッション誌もこの世代(平成7年に15~25歳だった世代=現在34~44歳)の取り込みが今後の売上げ減の歯止めのキーポイントになってくるのかもしれません。
また若い層にとっては本来雑誌が担ってきた役目をファッションニュースサイトやスナップサイトだったりWEARのようなコーデアプリなどにとって代わってるといった現実もあり、雑誌の売り上げが伸びにくくなっている可能性があります。
ただし、ストリートスナップのサイトでも開設当初は意欲的に更新されていても、恐らくそれほどアクセスも取れず、マネタイズも難しく、二年もすればすっかり放置されているというサイトやブログがゴロゴロしています。

ファッション業界の今後の課題

アパレル産業自体の規模は増加傾向にありますが、この要因はユニクロやしまむらといったファストファッションブランドの好調さにあり、例えば国内百貨店は平成8年から平成24年まで前年比を下回り続けて来ましたので、いかに消費マインドを転換させていくかがファッション業界全体の課題であると思われます。
安いから売れるのではなく、魅力があるから売れるという風に転換していかないと、近年のような消耗戦を繰り返す事になりかねません。

業界動向SEARCH.COMによると、アパレル業界はここ2~3年回復基調に転じており、「政権交代後のアベノミクスの影響もあり、消費マインドの持ち直しも見られました。厳しい状況が続いたアパレルメーカーにとって明るい兆しがようやく見え始めました。」との事で、明るい兆しが見えて来ている現状の中、流行を作るファッション誌がどのように「服を買ってオシャレをする。」事を消費者に推奨していけるのか、注目したいと思います。

※参考記事
アパレル業界の現状、動向、ランキング、シェアなどを分析・研究。|業界動向SEARCH.COM
http://gyokai-search.com/3-apparel.htm