福袋事件アーカイブ「アダム エ ロペ総額6万円福袋が実は...」

今年も大盛況の福袋商戦。関西では阪急で8000人が列を成したそうです。

阪急百貨店の初売りは、うめだ本店とメンズ大阪合わせて8000人が行列|WWD
http://www.wwdjapan.com/fashion/2014/01/02/00008944.html

福袋を購入するとお得な半面、ついて回るのが「買っても着ないものが多い」「思ってたような商品が入っていなかった」のようなリスク。
最近では福袋販売会場内でいらない物同士交換する行為も平然と行われるようになってきているようです。

そんな事もあり、福袋のリスクに関する事件を一つ振り返っておこうと思います。

2012年の福袋商戦のお話。
セレクトショップ大手の「アダム エ ロペ」が6万円相当として1万5000円で販売した福袋を購入した客が楽天内で別の業者が「2万7000円相当」として7000円で販売された福袋と中身が同じ事に気付き抗議し発覚。
「アダム エ ロペ」を運営する株式会社ジュンが福袋全品を回収するという事件がありました。

【 重要なお知らせ 】 2012年「メンズ福袋」についてのお詫び|アダム エ ロペ
http://www.adametrope.com/topics/group/_2012_1.php

この事件は株式会社ジュンが「アダム エ ロペ」で販売する福袋用の商品をODM企業に丸投げしてタグを自社のものに替えた服を仕入れ、それを福袋にして販売した事が原因でした。

これは服を売る、服を買う基準が何か、というところが問題で、名前(タグ)なのか、製品の質なのか、デザインなのか、といったところの、アダム エ ロペとしては「名前(タグ)」で服を売っている感覚があったのではないかと思います。

もし、そうなら2万7000円の服にタグを付け替えただけで6万円として売るのにも問題はなく、売れ残りを詰めただけでは売れなくなってきている福袋商戦の商品を用意するという事においてはもっとも合理的で、コストのかからない方法と言えます。

他社の福袋でも、(現在も)福袋の中身は福袋用に用意されたであろう品質の服で、シンプルで使い勝手のいいものが入っている場合が多く、同じような手法で福袋用の商品を用意しているのかな?と思わせるセレクトショップやブランドがたくさんありますね。

品質の問題やデザインの問題は一見ではわかりにくい所でもあり、消費者も多少は騙されますが、タグが違うだけの同じものに安い値札がついて売っていたら、それはさすがに大半の方が「アダム エ ロペ」の名前代とは受け止められないでしょう、

そういった所の売り手と買い手の認識の違いが生んだ事件だったと思うのですが、この事件は「コストパフォーマンス>品質」という現代のファッション事情を表している気がして、福袋のニュースを見ると思い出します。

この事件の裏側の考察は日経デジタルの下記記事に詳しいので、ご興味がおありの方はそちらも是非。

ジュンで起きた「福袋返品」の裏事情 大手アパレルの「丸投げ」体質が生む歪み|日経ビジネスデジタル
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120312/229708/?ST=pc