ユニクロ値上げ路線から方針転換!柳井社長「通用しなかった」

国内最大手のアパレルメーカー「ユニクロ」から衝撃のニュースが日本経済新聞で報じられました。
デフレの寵児として一人勝ちに近い形で毎年急成長を遂げてきましたが、物価を上げてデフレ脱却を図る安倍首相によるアベノミクスもあり、世の中を先取るように、ここ2年で2014年秋冬、2015年秋冬で二年連続値上げを敢行し、更に2014年春夏では消費税増税の裏で「税込み表示継続」から「税抜き表示」に変えると直前で発表し、税込1990円だった商品を税抜き1990円にするなど、華麗なる便乗値上げで約8%の値上げをブチかましており、2年で3度の値上げをしてきました。

そのユニクロが暖冬もあいまって2016年秋冬で大苦戦。
4月7日に発表された中間決算では15年9月〜16年2月期は純利益が470億円と実に前年同期比55%減となる大幅減益。

日本経済新聞の取材に柳井会長は「通用しなかった」と戦略のミスを認め、即座に値下げを決断・実施したとのこと。

ユニクロの本来の最大の魅力は「安かろうそんなに悪くなかろう」といったような「安い割に良い」という価値観がデフレ社会にピタっとハマッたような形でしたが、そこに付加価値を付けながら3度にわたって8%+5%+10%という大幅な値上げを小分けにして実施したわけですが、その付加価値は従来のユニクロユーザーには評価されなかったようです。

今後の戦略として以下のように語ったそうです。


  • かつては1990円、2990円というわかりやすいプライスでやってきた。値上げで2490円など中途半端な価格が増えたこともよくなかった。1990円、2990円など単純明快な価格に戻す
  • 今までの週末限定をせず、値引きなしで売って粗利益率を保つ。(セールは)ゴールデンウイークや入社式、年末など売れるシーズンに限定する。
個人的な印象だと、好調なGUの方に客を食われている一面も見られ、GUとの価格差をもう少し小さなものにする必要はあるのかなと思います。

このユニクロの方針転換は、アベクロコンビとして景気回復の切り札として物価上昇を目論んで円安誘導するアベノミクスを実施してきた安倍政権にとっても手痛い要因となりそうです。

出典:柳井氏「市場はシビア」 ユニクロ値上げ「評価されず」 |日本経済新聞