クロスカンパニーが全正社員制度廃止

フェアトレードを掲げ、生産の場や販売の場にまで労働者の立場に立った方策を打ち出し成長を遂げてきたアースミュージック&エコロジーやトムブラウンニューヨークを展開するCROSS COMPANY(クロスカンパニー)が、20年間続けてきた全正社員制度を廃止し、非正規労働者の雇用を開始させることを発表したと各ファッションニュースメディアが報じています。


WWDによると「就職活動中の若い層から正社員化を望まない声が年々増えていることや、働き方の多様化によってアルバイトへのニーズが出ていること、若い社員の待遇を上げることなどが挙げている。」といった事が理由に挙げられており、同社の石川康晴社長は自信のフェイスブックで「苦渋の決断」と語ったとの事。

クロスカンパニーは現在、16年春の上場を目指し上場準備中で、事業を急拡大しており、早急な人員の確保が必要になった事なども予想され、そうした背景がアルバイトなどの非正規労働者の雇用に舵を切った一因になっているとも考えられます。

ただ、アルバイトを雇用する事が必ずしも悪ではなく、週2日、1日4時間から働けるように変更されるとのことで結果として女性の労働の場を増やす事に繋がり、男性社員の育児休暇制度の導入などにも積極的な同社の労働者の立場に立った会社方針が良い方向に発展して行く事を期待したいところです。

またFashionsnap.comによると石川社長は「今後、特に若い社員に対して社員割引や有給休暇の拡大、一人暮らし手当、賞与の増加といった待遇を向上させたい」という意向を持っているという。

クロスカンパニーは2009年に入社一年目の女性店長が極度の疲労とストレスで死亡したという事件があり、それ以降、こうした労働者を大切にする企業を目指し、「フェアファッション」を掲げ様々な方策を取られています。

※参考記事
クロスカンパニー上場で注目される途上国の労働問題
アパレル・ファッション業界に正社員化の波。なぜ?どうなる?