サマンサタバサ全スタッフに特別賞与1万円支給。その背景は?

”楽しく素敵に”女性のライフスタイルを演出し、多くの女性に支持されるブランド、サマンサタバサ(http://www.samantha.co.jp/)がアルバイトや派遣社員、契約社員を含む全スタッフ2200人(取締役・監査役は除く)に1万円の特別賞与を支給する事を発表しました。



その背景にはまず同社が4月1日からの消費税増税に対し、1年以上前から「消費税増税に絶対勝つ!」をテーマに、商品企画から販促、人材育成等と、当社グループ全スタッフで立体的に取り
組んで来た事。
その結果、平成26年4月度の売上高前年同月比 130%を達成した事から賞与の支給という形で還元される事になりました。

同社はラグジュアリーブランドとして百貨店を中心に比較的高価格帯の商品を多く販売しており、アベノミクスによる景況感の回復などによる消費マインドの回復の恩恵を大きく受け、また精力的な出店や販促などの企業努力などの結果、平成26年2月期の決算で売上高315億78百万円(前年同期比14.9%増)、純利益8億48百万円(前年同期は3億97百万円の損失)という大幅増収増益を達成しており、その好調さも特別賞与の支給に繋がったのではないかと思われます。

また昨今、アパレル業界に蔓延してきている深刻な人材不足にはサマンサタバサも危機感を持っている様子で、決算短信でも事業のリスクとして「新規出店による店舗数の拡大ペースに見合った人材の確保・育成がなされなかった場合、出店ペースのダウン、顧客に対するサービスの低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。」と明記しており、特別賞与の背景には待遇向上による人材確保の狙いもありそうです。

同社と同じく女性スタッフが主体であるクロスカンパニーの全スタッフ社員化や、国内アパレル最大手のユニクロ16000人正社員化など、激しい人材獲得合戦が繰り広げられ始めているアパレル業界において、スタッフの95%が女性と言われる同社のスタッフは大きな武器で、現金1万円の支給と共に、スタッフそれぞれ一人一人にメッセージカードが送られている点も見逃せないポイントです。

※参考記事
アパレル・ファッション業界に正社員化の波。なぜ?どうなる?