ファーストリテイリング、Jクルー買収撤退報道。

かねてより買収協議報道のあったユニクロを運営するファーストリテイリングのJクルー買収(「ファーストリテイリングがJ.CREWを買収協議!?」報道。ファッション的に見ると・・・ )は、条件面が折り合わずにファーストリテイリングが撤退したとの報道が複数のメディアから出ています。

ファストリ、Jクルー買収撤退か 米メディア報道 「コメントは控える」|日本経済ニュース
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXNASGM1900N_19032014EB2000

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)やロイター通信が同日、報じた。ファストリによる買収額は50億ドル程度と推定されていた。Jクルーを買収した投資ファンドTPG、レオナード・グリーン・アンド・パートナーズなどを含め話し合いが進んでいたもようだが、条件面で折り合わなかったとみられる。

ファーストリテイリング:Jクルー買収交渉破談…米紙報道|毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140319k0000e020182000c.html

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は18日、カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(FR)による、米衣料大手Jクルー・グループの買収協議が決裂したと報じた。同紙は2月末に最大50億ドルの買収額で交渉が進んでいると報じたが、報道直後に交渉が決裂したという。決裂の原因は不明だが、交渉が公になったことも一因としている。
 同紙は両社が改めて交渉を行う可能性があるほか、Jクルーを保有する投資会社が同社の上場を目指す展開もあり得るとしている。

ファストリ、Jクルー買収交渉打ち切り―協議再開の可能性も|ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304471904579447742905673428.html

同筋によれば、ファーストリテイリングはウォール・ストリート・ジャーナルなどが2月末に合併交渉を報じた直後、Jクルー経営陣と同社を保有する未公開株(PE)投資会社との話し合いから手を引いた。協議打ち切りの正確な理由は不明だが、関係者の何人かは、話し合いが公になったことが原因の一つになったという。

 また、打ち切りは一時的なもので、双方がいずれ協議を再開する可能性もあるとしている。別の企業がJクルー買収に名乗りを上げることも考えられる。一方、今回の打ち切りでJクルー保有者が同社株を公開する可能性が高まった。保有者はファーストリテイリングとの話し合いで最大50億ドル(約5080億円)での売却を狙っていたという。
総合すると打ち切りは買収交渉が公になってしまった事が一因で、ファーストリテイリングとの間の買収協議が再開される可能性もあるが、別の企業がJクルー買収交渉を行う可能性もあり、また逆に買収交渉を打ち切って、Jクルーが自社で上場する可能性もあるという事のようです。

ただ公になってから結構な期間が経っており、今さらといった感も否めず、恐らくネックはJクルーが要求している50億ドルという条件ではないかと思います。
このような報道が出ると言う事は少なくともうまく行っているとは言えないと思われ、Jクルーがファーストリテイリングの予想以上に買収条件に対して強固な姿勢を取っているのではないかと推測します。

全米に400店舗を展開しており、海外での評価やブランド認知度も高いJクルーは、今年を本当の意味でのグローバル化元年と位置付けているファーストリテイリングにとっては喉から手が出るほど欲しい存在であるはずで、個人的には最終的にはファーストリテイリングが条件を飲む形でJクルー買収を果たすような気がします。