ユナイテッドアローズ 4~9月は売上高12.0%増も経常利益10.4%減

ユナイテッドアローズはセレクトショップの中では唯一の上場企業(東証一部)です。

11月6日に発表されたユナイテッドアローズの2014年3月期第2四半期決算は、売上高566億7000万円(前年同期比12.0%増)、営業利益44億1600万円(9.7%減)、経常利益44億4500万円(10.4%減)で売上高は12%増加したものの、経常利益では10.4%の減少となりました。

ユナイテッドアローズIR情報
http://www.united-arrows.co.jp/ir/index.html

円安やセール開始日の前倒しなど夏季セールの長期化などで粗利率が低下、出店増や人件費の増大など販管費がかさんだ事が減益の理由とされていますが、売上高は「ユナイテッドアローズ」「グリーンレーベルリラクシング」「クロムハーツ」の主力事業全てで伸びており、また2022年3月期までの長期ビジョンで1050億円の売上高目標を掲げ、ここ最近では10月に台湾出店を果たし、またレディースシューズライン「ボアソンショコラ」の投入を決定しており、非常にアクティブに動いているので夏季セールの長期化はアパレル業界で最も課題となる商品在庫を流動率の高い資産に変えたと思われ、減益が不調であるという事ではないと思われます。

秋冬は利益率の高いアウターが主要商品となるため
「秋冬商戦に入り、価格を見直したアウターなどの重衣料が本格的に動
き出すことで、売上総利益率は向上すると考えている。」という事で、また下期の販管費率は低下する予定となっており通期では増収増益を見込んでいます。

また出退店では、ユナイテッドアローズ事業が7店の出店、1店の退店、グリーンレーベルリラクシング事業が3店の出店、クロムハーツ事業が1店の出店、その他S.B.U(スモールビジネスユニット)で7店の出店、1店の退店、アウトレットで1店の出店で、総店舗数が225店舗となった。

S.B.Uの展開事業は下記の通り。
アナザーエディション
ジュエルチェンジズ
オデット エ オディール ユナイテッドアローズ
ドゥロワー
ジ エアポート ストア ユナイテッドアローズ
ザ ステーション ストア ユナイテッドアローズ
ザ ハイウェイ ストア ユナイテッドアローズ
アーキペラゴ ユナイテッドアローズ

coenは(株)コーエンとして(株)フィーゴと共に連結子会社となっております。
また質疑応答にはスタートトゥデイにWEAR(スタートトゥデイのアプリ「WEAR」パルコ4店舗で試験導入 )も話題に上がっております。
Q、O2O の取り組みについて知りたい。スタートトゥデイ社のWEAR の開始後に変化はあるか?
A、WEAR はサービスが始まったばかりのため特筆すべき変化はないが、お客様が実店舗とネット通販から利便性の高い方を選択できるという意味では価値があるサービスだと思っている。ただし当社は様々な商業施設に出店させていただいており、バーコードスキャンの対応については商業施設の認可がないと導入ができない。そのため、現段階ではバーコードスキャン対応店舗は限定している。
当社の取り組みとしては、UA オンラインストアのコンテンツ充実をはかり、実店舗とネット通販のサービスや利便性のレベルを近づけていくことを考えている。コンテンツを充実させることで、実店舗がショールーム化することなく、お客様が自分にとってメリットのある、利便性の高いところでお買い求めいただけるようにすることを目標としている。UA オンラインストア アプリの開発や実店舗への商品取り寄せ機能の追加などはその一環となるものだ。
ユナイテッドアローズは今後O2O事業へも力を入れていくようで、個人的には、低価格化が進みプロパー価格ではなかなか売れない現状をどう打破していかれるのか、非常に興味があります。
WEAR自体は話題ほど伸びないのではと思っておりますが、実店舗のショールーミング化へ向けた利便性の向上の第一歩として、今後に与える影響は多大だと思います。