ABCマート違法残業で書類送検をうけて株価が反落

靴の販売店「ABCマート」で、従業員に労使協定で定めた残業時間を上回る月100時間超の違法な残業をさせたとして法人と役員3名が書類送検された問題を受け、7月3日の株式市場ではABCマートの株価が反落しました。



この問題は東京労働局の過重労働撲滅特別対策班がブラック企業対策として調査を進めており、同班による書類送検は今回が初めてとのこと。

ABCマートの株価は7月2日には一時上場来高値を更新する7850円をつけていましたが、書類送検の報道が出ると株価は反落。
3日には一時7100円まで暴落。最終的には少し値を戻しましたが株価は7210円まで急落しています。

ABCマートはスニーカーを主力商品に、低価格の値段設定をウリに業績を伸ばし、更に近年のスニーカーブームや訪日外国人の増加でインバウンド消費の需要先としても注目されており、円安による原材料高もなんのそのの急成長を遂げています。

またHAWKINSやVANS、NUOVOなどのブランドを買収するなど自社展開のブランドも所有しており、更には昨年、アメリカンブーツの王様・キングオブブーツと呼ばれるホワイツを買収するなど、飛ぶ鳥を落とすかの勢いで売り上げを伸ばしています。



ただ今年の4月には創業者が日本テレビアナウンサーの上重聡アナウンサーに高級車を貸与していたり、超高級マンションの購入費を無利息で貸していたという報道がされたり、ネガティブな報道が続くこともあり、今回の問題が今後の成長に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。


ABCマートからは「今回の事態を重く受け止め、コンプライアンスに万全を期す」と発表され、再発防止に取り組む姿勢が示されていますが、急成長の裏には円安などによる利益率の減少を補うためにどこかに歪が生じているのかもしれませんね。

ABCマート違法残業で書類送検 容疑の法人・役員ら  :日本経済新聞ABCマート違法残業で書類送検 容疑の法人・役員ら  :日本経済新聞