日本企業がスコーヴィルジッパーを買収

日本のファスナーやマジックテープを製造販売するモリトが「スコーヴィルジッパー」でお馴染みの米国スコーヴィル社を買収したとロイター通信などが報じています。
買収額は50億円前後との事。

米スコーヴィル社買収、本日の取締役会に付議=モリト
http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPL3N0S403C20141009

スコーヴィルジッパーはヴィンテージ愛好家にはお馴染みのジッパーで、古いミリタリー系の衣服やデニム、革ジャンなど幅広い分野で仕様されています。
繊研新聞によりますと、「スコーヴィルの米市場での知名度や顧客ネットワークと、品質に強みを持つモリトとの相乗効果を狙い、グローバルな事業拡大を図る。」との事で、特にアメリカでの「軍関連など米企業でなければ入り込めない分野」への展開を狙っているとの事。

少し事情は違いますが、米ホワイツブーツをABCマートが買収した話(激震!ABCマートが米高級ブーツ「ホワイツ」買収。)が、話題となっており、日本の企業がアメリカの物作り企業を買収するという話では同じような構図ですね。

個人的に最も懸念するのは、昔のスコーヴィルジップを復刻して国内のレプリカを作っているようなブランドに卸し「スコーヴィルジップ」というのを売りにする商品が出てくるのではないかという点。
既にTALONジップはジッパーを昔のものと同じように精巧に作りレプリカに付けて「TALONジップ搭載」を売りにするような商品があり、未来のヴィンテージコレクターの気持ちを思うと、私自身は非常に残念に思っております。