5月のアパレル業界における増税の影響は?
アパレル各社の5月売上高から増税の影響がどの程度残っているのかを紐解いてみようと思います。ちなみに4月の影響は下記記事の通り、「限定的」。
※アパレル業界における消費税増税の影響は「限定的」
ユニクロ既存店売上高は前年比104.1%
国内最大手のアパレル企業ユニクロが5月の売上推移速報を発表。
5月の既存店売上高は前年比104.1%で増益。
直営店計の売上高が前年比107.7%、ダイレクト販売を含む売上高が前年比107.4%と、いずれも好調な成果を叩き出しています。
5月は天候に恵まれ、GWも好天だった事で、更に月末には非常に気温の高い日もあった為、月を通して夏物商品が順調に推移した模様。
増税の影響が心配される小売業界ですがユニクロはほぼ増税の影響はなくなったよ言える状況ではないでしょうか。
ABCマートが既存店売上高前年比110.4%
スニーカー・靴類販売のABCマートも5月は既存店売上高が前年比110.4%の増益。全店では114.4%。
既存店の客数が104.9%、客単も105.2%と好調に推移。全店でもそれぞれ客数109.0%、客単105.0%と好調な結果。
こちらも今年の5月は土曜日が1日多く、また天候に恵まれた後押しはありながらも、大幅増益で増税の影響は感じさせない数字を叩き出しています。
主にスポーツシューズとキッズシューズが売れており、依然、スニーカーブームの継続と、またキッズでは運動会などに備えた需要もあったのではないかと思われます。
また成田空港店と京阪モール京橋店を新規出店しており、出店数は769店に増えております。
ユナイテッドアローズ小売+ネット通販既存店売上高前期比103.8%
国内セレクトショップ大手のユナイテッドアローズの5月は小売+ネット通販を足した既存店売上高が前期比103.8%、全社売上高が105.3%こちらも増益となりました。
こちらも5月の好天と気温上昇の影響で、半袖カット、リネン素材のカーディガン、ショートパンツなどの盛夏物商品が好調に推移。
クールビズ商品のジャケット、パンツ、シャツや、トレンド商品のスカートも好調を維持した模様。
土曜日が1日多かった影響で、+2.0%ほど有利に働いた模様です。
ユナイテッドアローズは4月はやや苦戦をしたので、5月での売上回復は増税の影響が薄らいでいる最も顕著な例だと言えます。
まとめ
ファストファッションブランドに、靴・履物小売企業、セレクトショップと3種類の異なる業態の企業が全て増益という結果には、良い意味の驚きがあります。
3社とも比較的勢いのある企業なので好結果が出やすいという事と、また5月はかなり条件的に恵まれたのも好影響を与えたのは確かですが、3社とも目に見えた結果を叩き出しており、アパレル業界における増税の影響は5月にはほとんどなくなったと断言しても良いのではないでしょうか。