ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイ絶好調、商品取扱高1000億円突破!

スタートトゥデイ商品取扱高1000億円突破!!

スタートトゥデイの2014年3月期の決算が発表されました。


商品取り扱い高は1,146億円(前期比19.6%UP)と1000億円を達成。
営業利益は128億円でなんと前期比45%UP、経常利益・純利益ともに45%UPと絶好調っぷりを見せつける決算となりました。

出店店舗数は621店舗と前年から129店舗増と大幅アップ。

年間購入者数は前年より72.5万人増の321万人とこちらも大幅アップ。

昨年はWEARの好調なども話題になりましたが、大幅増収増益の要因としてはやはりECの好調さが目立つ決算となっています。

天候不順の影響は?

「当連結会計年度における衣料品・アクセサリー市場は、夏から秋にかけて不安定な天候に見舞われる局面があったものの、景況感持ち直しへの期待を受けた消費者マインドの改善から、ラグジュアリー商品を中心に底堅く推移いたしました。」としており、アパレル各社が2013-2014シーズンで最も悪影響を及ぼした要因に挙げていた天候不順の影響はあったようですが、注目は景況感持ち直しへの期待を受けてラグジュアリー商品が売れている点。
ファストファッション各社が消費者マインドの回復の遅れを挙げている中、これは非常に注目すべき点ですね。
増税前にラグジュアリー商品が売れやすかった状況もあったとは思いますが、世間の消費動向は一時に比べますと明確に高級志向に移ろいつつあるように感じます。

WEAR

昨年度のスタートトゥデイの最大のニュースとしてはファッションコーディネートレシピアプリ「WEAR」のリリースではないでしょうか。
こちら、当初はバーコードスキャン機能を搭載し、ショールーミング化が加速するのではないかと話題になりましたが、結果的にバーコードスキャン機能は中止されています。


現在はファッションコーディネートレシピアプリとして、基本的には自撮り型のファッションスナップアプリとして、自撮りブームにも乗り200万ダウンロードを突破しています。
更に5月21日からは台湾でもWEARをスタートさせる事が発表されており、今後の活用法次第ではこちらも大きな収益源になる可能性を秘めております。
WEAR、初の海外展開として5月21日(水)より台湾にてサービス開始|スタートトゥデイ

ちなみに私自身もダウンロードしてみて体験してレポートしているので、もしご興味があればこちらの記事もよろしくどうぞ。
話題のアプリ「WEAR」使ってみた。

全商品送料無料化

2014年11月に開始された全商品送料無料化も前期に影響を及ぼした要因の一つではないでしょうか。
こちらはtwitterで同社の前澤友作社長が炎上し、話題になるというひと悶着の末に実行されたサービスですが、運賃収入が減少し売上総利益率は0.2%ダウンしたようですが、72.5万人も増えた利用者増には確実に好影響を及ぼしており、「ファッションをネットで買うならZOZO」というブランディングにも一役買ったのではないかと思います。

ちなみに全商品送料無料化を実現するキッカケとなった騒動は下記の通り。
  1. 「1050円なくせに送料手数料入れたら1750円とかまじ詐欺やろ~ ゾゾタウン」とユーザーがteitterでつぶやく
  2. 前澤友作社長がエゴサーチの末、そのつぶやきを見つける。
  3. 前出ユーザーに対し前澤社長が「詐欺??ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ」と激怒。
  4. twitterを中心に前澤社長に猛烈に批判が相次ぐ
  5. 前澤社長「私の未熟さにより多くの方に不快な思いをさせてしまいました。反省しています。申し訳ございません」と謝罪。
  6. 翌月より送料無料化開始
と、こういった経緯で送料無料化に踏み切ったのですが、経緯をともかく結果として大成功だったのではないでしょうか。

今後の目標と展開

今季の目標は商品取扱高1,324億円(前期比15%増)、営業利益137.1億円(同11%増)と、前期の好調さを見ればやや控えめな数字が並んでおりますが、それでも12期連続となる増収増益見込みという大きな目標を掲げられています。
非常に好感が持てるのは「引き続き商品供給力、とくに機会損失の解消」に取り組むとしており、非常に足元をしっかり見て、主軸のEC事業ありきで進めていこうという姿勢です。
また中長期の目標としては商品取扱高5000億円が掲げられており、傍から見ていれば今の勢いのままなら「すぐに達成出来そう。」とか思ってしまいますが、国内アパレル企業で売上高5000億円を達成しているのはファーストリテイリングとしまむらしかなく、その数字がいかに大きく壮大な目標なのかが伺い知れます。
現在、ファッション業界のEC化率は3%にとどまっているらしく、また欧米ではすでに10%を達成しているそうで、このEC化率の向上こそがスタートトゥデイの今後を大きく左右する指標です。
そういった意味で「ファッションやオシャレを楽しむ人をひとりでも増やし、ファッション業界全体のマーケット拡大を目指すこと」という目標を掲げられているのは非常に好感と共感を持ち、ファッション情報サイトを運営する身として、超微力ながら同じような目標を持って頑張りたいと思う次第であります。